取次屋の噺

<後編>どん底ワーママからの復活。世代をつなぐ取次屋へ

wakemi

取次屋のわけ美です。
2024年1月、家族がお互いの価値観を受け入れて暖かくつながるための「意図電話」というコミュニケーション代行を始めます。

このWEBサイトに辿り着いて下さった方に、わけ美が始める個人事業について少しでも興味を持ってもらえたらと思い、私の生い立ちから「取次屋」誕生までについて書きました。

<前編><中編><後編>を通して読めば、なるほどね!と手を打って笑っていただけるはずです。最後までお付き合いくださいませ。

それでは後編をどうぞ。

予想外の壁!得意なはずの仕事で適応障害に

娘が誕生してから2年後、コロナ禍が広がり、将来への不安が募り、
安定した正社員になることを決意して転職活動を開始した。

応募倍率が20倍という競争の中、やっとのことで外資系企業の電話サポート職に合格。 正社員として大企業に就職する喜びで心は躍った。
有給休暇やボーナス、退職金といった待遇も手に入れ、喜びはいっそう大きくなった。

しかし、予想外の壁にぶつかる。
得意だと思っていた電話サポートの仕事が、新しい職場で全くうまくいかなかったのだ。スピードと効率を重視しチームで成績を競わせる環境は、私には合わなかった。

1件ごとの電話を0.1秒でも早く終わらせることを追求し、成績競争を奨励する文化に自分を押し込もうとした結果、多くの失敗を重ねて精神的に追い詰められていく。
上司からの叱責に涙する日々が続き、仕事に疲れ果て、夜も眠れなくなっていった。

徐々に、上司に自分の本音を伝えることができなくなり、自分自身が閉じてしまった。 休職を経て、退職を決断。

何を言っても叱責されるという感覚が私を支配し、自分の気持ちをうまく伝えることができない苦しさを味わった。

休職中に一番つらかったのは
会社とのつながりが、唯一、ソリの合わない上司とのLINEだけになったことだ。

コロナ感染が拡大し、業務は全社員がリモートで行うようになっていて、オフィスは無人に近い状況が続いていた。休職処理により社内ネットワークにアクセスできなくなり、上司との1対1のLINEが唯一の窓口となって、私は他の人との連絡手段を失ってしまった。

我慢できなくなり、勇気をふりしぼってLINEで上司に
「他部署の人と話す機会を得たい」と頼んだが、叶わなかった。

当時は闘う気力がなく、すぐ諦めてしまったけれど
もっと早く誰かに話を聞いてもらっていれば状況が変わったかもしれないと感じて、後で何度も後悔した。

この経験から、自分の限界を認識し、他人に助けを求めることの大切さを学んだ。

SNS苦手克服!お客様の楽しさを引き出す作戦

挫折を通して自分の弱点に気付いた私は、マイペースな働き方を目指し、PCやSNSが苦手な人に操作方法を教えるオンライン講師として開業した。

この時、私の強みである共感力を活かして、お客様の価値観に寄り添うことができ、喜びの声をもらえた経験が、新しい仕事を始める大きなきっかけになっている。

例えば、SNSが苦手なのに、仕事で投稿しないといけないストレスに悩む生徒さんには、マンツーマンで心からのサポートを提供した。

SNSへのイライラや不安を吐き出せる安全な場所を作って、全て受け止める。
そして、ゆっくりとSNSの必要性を理解してもらう。

目標がクリアになったら、一緒に記事を投稿するお手伝いをして、少しずつSNSに対する嫌悪感を消していくと、3ヶ月後には楽しんで毎日投稿してくださるようになった。

お客様とSNSが結ばれた嬉しい瞬間だった。

世代をつなぐ、価値観の取次屋

新型コロナの流行を経て、私たちの生活はますますインターネットに依存するようになった。

この変化には賛否があって、便利になったと感じる人もいれば、新しいテクノロジーや価値観の変化についていけず、不便さを感じている人もいる。

特に、団塊世代とデジタルネイティブ世代といった、世代間の価値観の開きが大きいと思う。暖かい交流とつながりを求めながらも、コミュニケーションの課題に悩む家族がたくさんある。

私は10年以上、ヘルプデスクで「人と何かをつなぐ」プロセスを繰り返してきた。
これからもそのやりがいを感じつつ、価値観を受け入れ合う「つながり」を築いていきたい。

価値観を一瞬で変えることは難しいけれど、誰かが取り次いで繋ぐことで、ゆるやかに受け入れ合って、つながりを深めていけるかもしれない。

だから、価値観の押し付けに苦しまなくていい、誰もが受け入れられる安全なコミュニケーション環境を作りたい。

お互いの見ている素晴らしい景色を分かち合い、支え合い、笑いながら生きる時代を子供たちに渡せる「取次屋」を目指して、活動していきます。

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