40代女性の一人客でも大丈夫?おひとりさま居酒屋がくれる自由

おひとりさまが居酒屋に感じるハードル
「おひとりさま」で居酒屋に行ってみたいなと思っても、いざ一歩を踏み出そうとすると「おばさん一人客ってどう見られるんだろう」と不安になることはありませんか。
カウンターには仕事帰りのおじさんたち、テーブル席には若い会社員のグループや学生たち。
にぎやかな空気の中で、一人でメニューを開く自分が浮いてしまうような気がしてしまいます。
「寂しい人に見られないかな」
「一人で大盛りの唐揚げを頼んだら変かな」
「甘いサワーを注文したら痛い人に見えるかも」

実際には、周りはそこまで気にしていないことが多いのに、自分の中の「おばさんだから」「大人だから」という声がブレーキをかけてしまう・・・。
これ、実は食べ物だけの話ではなく、 親や家族との関係にも重なります。
周囲の期待や「こうあるべき娘像」に縛られて、素直にふるまえない自分と似ているからです。
ひとりで入ると、どうしても「見られているような気がする」…って声をよく聞組んだけど。


うん。その「気がする」ってやつがクセモノね。
実際より、自分の中でふくらんでしまうことって多いの。
周りは案外気にしてないんだよ。
わけ美にとってのおひとりさま居酒屋と、祖母の思い出
私は20代のころから、ひとり飲みが好きです。
なぎら健壱さんがふらっと現れそうな昭和の香り漂う大衆居酒屋。暖簾をくぐると、常連のおじさんたちがテレビの野球中継を肴にしています。そんな空間で、一人で日本酒ともつ焼きを頼む時間が、なんとも心地いいのです。
なぜそんな空間に惹かれるのかを考えると、原点は、教師だった祖母の厳しい教育にあります。
「みっともない真似はしないの」
「そんなことする女の子はお嫁に行けないよ」
「家のことを手伝うのが当たり前」
祖母の言葉は、私の中に「正しくある娘像」を深く刻みました。

祖母から「こうあるべき」と言われ続けたのが、まだ抜けない…。


そうやって刷り込まれた「正しさ」が、いまの居心地の悪さにつながってるわけね。
そんな私が自由さを学んだのは、型破りな仲間と過ごした芸大生時代。そこで『人の目を気にしない自由』を体験しました。
社会に出てからは、いろんな家族の事情を抱える人たちと関わり、その気持ちに寄り添う場面も多くありました。(詳しくは 取次屋の噺 にまとめています)
経験を重ねるうち、居酒屋でのおひとりさま時間は、自分を解放するための大切な居場所になっていきました。誰にもジャッジされず、ただ「そこにいていい」と思えるからです。
おひとりさまにとって、居酒屋は「自分に許可を出す」場所

居酒屋での一人時間は、ちょっとした「許可体験」でもあります。
唐揚げを一皿、全部自分のものにしてもいい。
ビールから熱燗に変えても、誰にも文句を言われません。
お通しをつまみながらスマホでドラマを見ていたって構わない。
「おばさん一人なのに」と笑う人は、実際にはほとんどいません。むしろお店の人からすれば「一人でも来てくれる、マナーの良い常連さん」として歓迎してくれると思います。

へしこ(サバのぬか漬け)を一人で頼むだけなのに、ちょっと罪悪感を覚えるのはなぜでしょう。
きっと「誰かの期待に応えてる時だけ安心できる」ってクセが残ってるからだよ。

ここで得られるのは、他人の目線よりも「自分に許可を出す」という感覚です。
私はこれを おひとりさまチューニング と呼んでいます。
ひとりで過ごす時間が、自分を整えてくれるからです。
人に合わせて生きてきた女性ほど、こうした「誰にも遠慮しなくていい時間」が必要なのではないでしょうか。
親との関係にも通じる、おひとりさま体験と居酒屋の気づき

実は、この おひとりさまチューニング で得られる感覚は、親とのコミュニケーションを考えるときにも役立ちます。
親の前では「こうあるべき娘」でいようとしてしまうことはありませんか。
- ちゃんと結婚して
- 孫を見せて
- 仕事は安定して
そんな期待や価値観に応えようとするほど、息苦しくなりますよね。
本当は「今日は疲れているから話したくない」とか「自分のやりたいことを優先したい」と思っていても、なかなか口に出せないものです。
でも、居酒屋やカフェで一人時間を楽しむと、「私は私でいいんだ」と思えることがあります。
親との距離も同じで、近すぎても苦しいし、離れすぎても不安。大切なのは「自分に合った距離感を選べる」と知ることなのです。
親の前だと、どうしても「ちゃんとした娘」を演じちゃうじゃない!?


それは、演じないと受け入れてもらえない気がするから。
でもね、距離は選んでいいんだよ。
おひとりさまだからこそ居酒屋で見つかる自分らしさ

私にとって、おひとりさま居酒屋はただお酒を飲む場ではありません。
「自分に許可を出す練習の場」でもあるような気がしています。
誰に合わせることなく、食べたいものを自由に選ぶ。
自分のペースで飲み、好きなタイミングで帰る。
自分の時間を、自分のために使う。
こうした経験を重ねると、親やパートナーとの関係でも「選べる距離感」が見えてきます。
「今日は電話に出なくてもいい」
「この話題は軽く流してしまおう」
「ここだけはきちんと伝えたい」
そんなふうにバランスをとることが、心をすり減らさずに家族と関わるコツだと思います。
まとめ:おひとりさまチューニングから始まる「選べる関係」
- おひとりさまチューニングは、ただ一人で飲み食いするだけの場所ではない。
- 「自分をほどく場所」でもあり、親との距離を考えるヒントにもなる。

「おばさん一人客だから恥ずかしい」なんて思わなくて大丈夫です。
むしろその姿は、誰よりも自由で、自分らしい大人の選択なのかもしれません。
親との関係にイライラや葛藤を抱えるあなたへ。
おひとりさまチューニングで感じる「心の許可」が、あなたの心をほどき、明日を少し軽やかに過ごす力になりますように。
居酒屋の話をしながらも、結局「自分に許可を出す」ことがテーマなのね。


うん。一人で好きなものを頼んでいいように、親との会話も「自分らしくしていい」と思って大丈夫なんだよ。