「怒れない娘」が抱える罪悪感のループ|親に本音が言えない理由

窓の外を見る女性
wakemi

「どうして私は、親に本音を言えないんだろう」
そう感じたことはありませんか。

母に強く言い返せない。
父に意見を言うと、空気が重くなる気がして黙ってしまう。
そんな自分を「弱い」と責めて、胸の奥に小さな罪悪感をためこんでいく。

でも実は、それは“優しさ”ではなく、恐れと学習の積み重ねかもしれません。
私たちは、波風を立てない方が安全だと学んで生きてきたのです。

親に本音が言えない——「怒れない娘」だった友人の話

話をする2人の女性

私の友人・りょうこ(仮名)は、いつも穏やかで、誰にでも丁寧に接する人でした。
怒るところを見たことがない。まさに“平和主義の鏡”のような人。

けれど、ある日ぽつりとこう言いました。

私さぁ、母に怒ったことがないのよね。怒ると、怖いから。

中学生のころ、服の趣味をめぐって母親と口論になったときのこと。
思わず「私の勝手でしょ」と言い返したら、母の表情が固まり、
そこから数日間、口をきいてもらえなかった。

その沈黙が、何よりも怖かったのだそうです。

「それ以来、怒るくらいなら黙ってた方がいい」と思うようになった彼女。

母の機嫌を損ねないように、反論よりも“笑って受け流す”ことを覚えました。
そうしてできあがったのが——怒れない娘という、生き方のクセ

母とは仲良くしたいのに、本音を言うと壊れそうで怖い。

だから、ずっと“いい娘”の役を演じてる感じ。

彼女の言葉を聞きながら思いました。

親に本音が言えないのは、優しすぎるからではなく、
「安全でいよう」と無意識に選び続けた結果なのではないか・・・?

そんなりょうこが、ある日その沈黙を破ることになります。

親に本音が言えない娘が勇気を出した日——「結婚は考えてない」と言ったら

線香花火をする女性

30代半ばになったころ、りょうこは実家からの電話を少し憂鬱に感じていました。
母からの話題は、毎回決まって「結婚」「孫」「老後」。

恋人はいたけれど、結婚という形にこだわってはいなかった彼女。
「自分のペースで生きたい」という想いを、ずっと飲み込んでいたそうです。

そんなある日、母から電話がありました。

「お母さんね、あなたが ちゃんとしていないのが嫌 なのよ」

その言葉に、彼女の中で何かがプツンと切れました。
思わず、いつもなら飲み込むはずの言葉を口にしたのです。

お母さん、私は、結婚を“しなきゃいけない”とは思ってないの。

一瞬の沈黙。
そのあとに返ってきたのは、驚きと混乱が入り混じった母の声でした。

「どうして?何かあったの?」「そんなの悲しいじゃない!」

その週末、親戚中に話が回り、
「どうしたの?」「何かトラブル?」と心配の電話が殺到。
あっという間に“親戚会議”が開かれたそうです。

わけ美
わけ美

そんなことあるぅ?と思わず疑いましたが、本当の話でした…

「本音を言っただけなのに、悪いことをした気分になっちゃって」
「また“怒れない娘”に戻りそうだった」と、彼女は苦笑いしていました。

親を悲しませたくない。
でも、自分の生き方も大切にしたい。

その板挟みこそが、「親に本音が言えない」人の心の葛藤なのだと思います。

なぜ私たちは、親に本音が言えないのか

花をつむ子どもの手

それは、家族の中で演じてきた役割と、伝わらなかった経験の積み重ねです。

子どもの頃からいい子でいることで家庭の平和を守ってきた人ほど、
「波風を立てない=愛される」と信じてしまう。

そして、いざ本音を言っても受け止めてもらえなかった経験が重なると、
「言っても無駄」というあきらめが心に根づく。

だから、優しい人ほど、
怒るよりも沈黙を選んでしまうのです。

モヤコロ
モヤコロ

本音を言えないのは、優しさじゃなく、“役割とあきらめ”がしみついているから。

でも、そのあきらめの下には、
「本当はわかってほしい」という小さな願いが今も息づいています。

親に本音が言えない」は関係を守ってきた証

腰掛ける女性

怒らなかったのは、家族を大切に思っていたから。
本音を飲み込んできたのは、平和を壊したくなかったから。

その選択は、間違いではありません。
ただ——ずっと役を演じ続ける必要はもうないというだけのこと。

ある心理カウンセラーの方が、こう言っていました。

「怒れないのは、優しいからじゃない。
怒ることで、誰かを失うのが怖いからなんですよ。」

怒りは攻撃ではなく、つながりを取り戻すためのサイン

「わかってほしい」「尊重してほしい」
その願いを伝えることで、関係は少しずつ新しい形に変わっていきます。

言葉に詰まるときは、「糸」を通して伝えればいい

親に本音を言うのは、勇気がいります。
でも、真正面からぶつかることだけが「伝える」じゃありません。

もし、あなたの代わりに、やんわりと気持ちを伝えてくれる人がいたら。
あるいは、心の中を整理してから渡せる“糸電話”のような存在があったら。

それは「逃げ」ではなく、「工夫」です。
関係を壊さずに、自分を守るための“やさしい伝え方”。

赤い糸クズ

そんな想いから生まれたのが、
となりの取次屋の「意図電話」です。

怒りをぶつけることも、飲み込むことも、どちらも本音。
けれど、そのままにしておくと、心がすり減ってしまいます。

絡まった想いにも、必ずほどける糸口があります。
となりの取次屋は、その糸を一緒に見つけるお手伝いをします。

モヤコロ
モヤコロ

“怒れない私”って、“家族を守ってきた私”なんだよ。

でもね、その役をちょっと降りてみてもいい。ちゃんと、あなたの言葉で伝わる日がきっと来ます。

まとめ

  • 親に本音を言えないのは、優しさではなく“役割”と“あきらめ”が原因
  • 家族の平和を守るために、怒らない自分を演じてきた
  • 「言ってもわかってもらえなかった」経験が、沈黙のクセを強めている
  • 怒りの奥には、“もう一度つながりたい”という願いがある
  • 本音が詰まるときは、糸を通すように誰かを頼ってもいい
モヤコロ
モヤコロ

本音が言えない日があっても大丈夫。
だって、あなたは「伝えたい気持ち」をちゃんと持ってるから…

「ちゃんと伝えなきゃ」よりも、
「どう伝えたら自分が楽か」を考えてみるのもおすすめだよ♪

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